マレーシアで難民の子が通う学校の先生になって

学校生活
国連UNCHR協会より
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マレーシアに難民の子供たちが通う小学校があり、そこで私は1日だけ先生になりました。

小学校といっても難民の子はPublic Schoolに行くことはできず、古い建物の中にあるRefugee learning centreに通っていました。

しかし、そこにいた子供たちには私の持っていた難民へのイメージを覆され、何度も驚かされたので、少し発信しようと思います。

Refugee(難民)とImmigrant(移民)の違い

UNCHR The UN Refugee Agency より

まずは難民と移民の違いをしっかりと把握しなければなりません。

国際法によって難民は詳しく定義されて、様々な判断基準があります。

が、大きく分けると、

紛争や紛争などで移動を強いられているのが「難民」。

経済的な理由などから自ら他国へ移住するのが「移民」です。

自国の給料が低く、日本やオーストラリアなどに出稼ぎに来たり、韓国や日本など忙しい環境がうんざりで、穏やかな国に移住するのが「移民」です。

私のようにマレーシアに行けと強制されたわけでもないのに、勉強したいがために、移動してきた場合も「移民」と言えるかもしれませんね。

世界の難民の現状

国連UNCHR協会より

国連難民高等弁務官事務所のUNCHR The UN Refugee Agencyによると、世界には紛争や迫害によって移動を強いられた人が2017年の時点で6850万人います。

その中で18歳以下の子供は難民の半分以上、52%を占めています。

シリアやアフガニスタンからの難民が多く、その多くはトルコなど近隣国に避難しています。

マレーシアに避難する難民

マレーシアには約16万人の難民がいます。

67%は男性、33%は女性、4万人以上はまだ子供です。

そのうち46%は日本でもニュースなどでよく聞くロヒンギャからの難民です。

その他にもパキスタンやイエメン、ソマリア、シリアから多くの難民がやってきます。

マレーシアの難民が抱える3つの大きな問題

マレーシアにいる移民のほとんどはUndocumented legal status、つまり法的なステータスがない状況です。これにより様々な問題が発生します。

その中でも現在マレーシアで大きな問題となっているのが、主に教育、仕事、医療です。

マレーシアに避難した子供たちは法的なステータスがないので、フォーマルなPublic Schoolに通うこともできません。そのため私が今回行ったLearning centreに行くことになります。しかし、そこに行っている子供はわずか学校に行くべき年齢の子供全体の30%です。国を移動するためにパスポートを取るときも、そもそもこの世に生まれたことになっていないことなんてざらにあります。

 

もう一つの大きな問題は、仕事です。マレーシアの難民が合法的に働くことができません。しかし、子供を養うため、自分が生きるためにも仕事をしてお金を稼ぐことは必須です。そのため、彼らはたとえ違法であっても、危険な仕事であっても、賃金が低くても働いています。彼らは常に逮捕されたり、収容されたり、強制送還されるなどの脅威の中にいるのです。

 

次に問題なのは、医療です。医療を受けられないことはないですが、医療費が高すぎて払えないのです。病院によっては診察を断られ、医療費の高いPrivate Hospitalに行かなければなりません。もちろん払えるわけはありません。最近はUNHCR cardが支給され、多少は援助されますが、それでも依然として払えるわけではありません。

Learning Centerで先生になって感じたこと

古い建物の階段を上がり、教室を覗くと1クラス8人の生徒が裸足で元気に私を迎えてくれました。

実際に会う前に私が持っていた難民の子供に対するイメージは、何かに怯え、静かで、あまり喋れなくて… などネガティブな印象でした。

しかし、私のクラスには好奇心旺盛で元気でよく喋る8歳から11歳の子供たちがいました。

私が驚いたのは、彼らの理解能力言語能力、そして好奇心

子供たちの理解能力

私は子供たちに宇宙についての授業をしました。

 

地球と月の距離はこれくらい。月の満ち欠けの仕組み。太陽の距離はこれくらいで温度はこれくらい。太陽のつぎは水星、その次は金星、その次は地球、そして火星…それぞれの大きさはこれくらい大きい。太陽は太陽系で一番大きい。しかし、銀河系はもっと大きい、それをいくつも持つ宇宙はもっともっと大きい….。

 

子供たちはメモを取りながら、まるでスポンジのように知識を吸収していきました。

 

あまりにも吸収が早く、用意していた授業が思ったよりも早く終わってしました。

子供たちの言語能力

そこで後半は雑談タイム。

友達同士でなんだか聞き覚えのない言語で話していたので、何カ国語喋れるのか聞いてみたところ、驚きの答えが。

 

「I can speak six languages. 母国語と英語とマレー語と….」(そのあとは聞いても何語かよくわからなかった。)

 

なっ、なんと10歳の子供にして6ヶ国語喋れるらしいです。他の子も、3カ国語、4カ国語は喋れるそうです。

 

日本語と英語で苦戦している俺はなんなのだ。笑

子供たちの好奇心

途中で休み時間を挟みました。しかし子供達は自分の興味のある分野を自ら勉強していました。

 

ある女の子はネコ科の動物をこよなく愛し、図鑑を読んでいて、私にネコ科の魅力を教えてくれました。

 

またある女の子は日本の折り紙を折っていました。どうやら昔日本人の先生がいたらしく、教えてもらって好きになったそうです。ちなみにけん玉も持ってました。

 

そして男の子は相変わらず教室を飛び出し、廊下を走り騒いでいました。世界中で男のやることはほぼ同じです。

まとめ

今回行ったLearning Centerの子供たちは好奇心と意欲に溢れ必死に勉強していました。

 

しかし、普通の学校に比べると設備も少なく、先生の数も少ないです。(ちなみに今回Learning Senterで先生らしき人には一人も会いませんでした。)そんな中でも、年齢が上の子供が下の子供の面倒を見て、互いに助け合って生活していました。

 

しかし、このような学校でさえ通えていない子供は70%もいます。

 

勉強する場所と設備さえ整えば、彼らのような好奇心と意欲に満ち溢れた子供たちは沢山学ぶことができて、この世界すら変えられるほどの大物になるかもしれません。

 

私たちには何ができるのか、考えなければなりません。

 

そもそも、戦争さえやらなければ、難民になる必要もないんですけどね。

 

平和が一番です。


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